05CHAPTER 05
押し買い対策と売る前の注意点
アポなし訪問の「押し買い」には絶対に応じない
結論:出張買取で気をつけたいのが、「押し買い」と呼ばれる悪質な訪問購入だよ。「古いピアノを高く買います」のチラシや電話をきっかけに、約束もなく訪ねてきて家に上がろうとするやり方は、法律(特定商取引法の訪問購入ルール)に反するやり方なの。訪問購入のトラブル相談は60歳以上が8割近くを占めていて、とくに多いのが、ピアノや不用品の査定を口実に「貴金属やアクセサリーも見せて」としつこく迫る手口。応じてしまうと、相場よりずっと安い金額で大切な品を持ち去られることがあるんだ。自分から連絡して予約した業者以外は、家に入れない——これだけで被害のほとんどは防げるよ。
クーリングオフ8日と「引き渡し拒絶権」を覚えておこう
万が一、出張買取で契約してしまって「やっぱりやめたい」と思ったら、訪問購入にはクーリングオフ制度があるの。契約書面を受け取った日から8日以内なら、理由を問わず無条件で契約を解除できて、品物は返してもらえるんだ。しかも訪問購入では、クーリングオフ期間中は品物の引き渡しそのものを拒める(引き渡し拒絶権)のが心強いところ。業者は契約のとき、この権利を書面で知らせる義務があるよ。ただしピアノは一度搬出されると取り戻すのがとても大変な品物。だから金額や条件に少しでも迷いがあるなら、その日は引き渡さないのがいちばん確実な自衛策なの。書面をくれない・社名や担当者名を名乗らない業者は、その時点でお断りしてね。困ったら消費者ホットライン「188」で最寄りの消費生活センターに相談できるよ。
「搬出費・運送費」の後出し請求に注意——比べるのは手取り額
ピアノ特有の落とし穴が搬出費・運送費の扱いだよ。「査定10万円」と聞いていたのに、当日になって「搬出費3万円を差し引きます」と言われて手取りが目減りする——そんなトラブルを避けるために、見積もりは必ず「搬出費・運送費込みの手取り額」で確認してね。とくに2階以上への設置・廊下や階段が狭い・クレーンが必要といった条件は追加費の原因になりやすいから、申込時に設置階数・エレベーターの有無・搬出経路を正直に伝えておくのが大事なの。複数社を比べるときも、査定額の数字じゃなく手取り額でそろえて比較すること。電話やメールのやり取りは残しておくと、当日の「言った言わない」を防げるよ。
査定前に調律や修理はしなくていい——そのまま見せるのが正解
査定前にやってはいけないのが「よかれと思った下準備」。何年も調律していないからと査定のために調律を入れる必要はないの——調律代のぶん査定が上がるわけではなくて、費用倒れになりやすいんだ(まだ使い続けるための調律はピアノ調律の記事を見てね)。鍵盤の不具合を自分で分解して直そうとするのもNG——内部の部品はとても繊細で、かえって価値を下げることがあるの。お手入れは外装のホコリを柔らかい布で拭き取る程度で十分。それより効くのは、椅子・トップカバー・鍵盤カバー・保証書や取扱説明書といった付属品をそろえておくことだよ。それから、中古品の買取業には古物商許可(公安委員会の許可)が必要で、きちんとした店は公式サイトに許可番号を載せているの。本人確認書類の提示は法律で決まった手続きだから、求められても心配いらないよ。
こんな点に気をつけてね
- 1アポなし訪問・電話勧誘の買取に応じない(押し買いの典型。ピアノを口実に貴金属を狙う手口もあるの。きっぱり断って大丈夫だよ)
- 2迷いがあるならその日は引き渡さない(訪問購入はクーリングオフ8日+引き渡し拒絶権。書面を必ず受け取って保管してね)
- 3比べるのは「搬出費込みの手取り額」(査定額が高くても搬出費の後出しで逆転するの。設置階数と搬出経路は先に伝えよう)
✅査定前に確認することリスト:①型番・製造番号のメモと写真(天屋根・大屋根の内側) ②古物商許可の番号(公式サイト・店頭) ③搬出費・運送費込みの手取り額と、2階・クレーンの追加条件 ④椅子・カバー・保証書などの付属品 ⑤本人確認書類の用意。この5つを押さえれば、はじめてでも安心して売れるよ。強引な買取など困ったことが起きたら、消費者ホットライン「188」で最寄りの消費生活センターに相談してね。